総量規制例外貸付・融資とは?
総量規制例外貸付・融資とは、貸金業者(消費者金融やクレジット会社)が行う貸付で、年収の3分の1を超えても例外的に貸付・融資を可能としたものです。
総量規制は原則、年収の3分の1までしか貸付することができません。しかし、この総量規制例外貸付であれば、年収3分の1以上融資することが可能なんです!総量規制例外貸付は総量規制の抜け道にもなりかねない為、一定条件の契約でしか使うことはできません。
- 顧客に一方的に有利となる借り換え(段階的に債務を減らす借り換え)
- 緊急の医療費の貸付
- 社会通念上緊急に必要と認められる費用を支払うための資金貸付
- 配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付
- 個人事業者に対する貸付
- 預金取り扱い金融機関からの貸付を受けるまでの「つなぎ資金」に係わる貸付。(施行規則第10条の23第1項各号)
総量規制例外貸付の代表はおまとめローンや借り換えローン
総量規制例外貸付として最も多く利用されているのは、1番の顧客に一方的に有利となる借り換え(段階的に債務を減らす借り換え)です。これはおまとめローンや借り換えローンが該当しますが、借り換え前よりも金利が上回らず、追加の担保や保証人が無いことが前提条件となります。
顧客に一方的に有利となる借り換えは、総返済金額も借り換え前よりも下回ることが条件になっていることから、なかなか契約が難しいのですが、「段階的に債務を減らす借り換え」に関しては、金利を下げて、毎月の分割金も上回ることが無く、段階的に債務を減らす契約(返済のみの契約)であれば総量規制例外貸付として認められています。
消費者金融のおまとめローンや借り換えローンが年収3分の1を超えても契約が可能なのは総量規制例外貸付として融資をしているからなのです。
配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付は現実的に難しい
総量規制例外貸付条項には、配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付があります。これは総量規制によって収入が無い専業主婦が借りれなくなったことで、配偶者の収入も加算し、配偶者の負債と本人の負債が1/3以内であれば貸付を認めたものです。
しかし、この配偶者同意貸付は、配偶者にも信用情報の調査が入ることから、事前に配偶者の同意が必ず必要となります。配偶者の同意をもらうことは、キャッシングすることを話し、了解を得ることになりますので、専業主婦が内緒でキャッシングすることは貸金業者からは事実上不可能になったのです。
そして、配偶者の同意以外にも、配偶者と婚姻関係を示す書類、配偶者の収入証明書など、提出書類も通常の借入に比べ格段に増えてしまします。配偶者から同意を得られるのであれば、手間暇の問題から、配偶者が通常の借入を申込みした方がよっぽど簡単になるのです。
配偶者が主債務者になることがどうしても無理な場合などは利用する価値はありますが、非常に手間のかかる契約になることは間違いありません。
個人事業主に対する貸付も総量規制例外貸付
個人事業主に対する貸付・融資も総量規制例外貸付として認められています。零細企業などの経営者は消費者金融から運転資金を一時的に借りることは珍しくありませんでした。
総量規制は年収の3分の1までと定められています。自営業の人などは経費のこともあって、所得は低くなっている場合があり、そのような場合融資することができなくなることから、総量規制例外条項として個人事業主へも貸付・融資も認められているのです。
個人事業主への総量規制例外貸付となる場合は、あくまでも貸付する場合に借入(負債)が年収の3分の1以上となる場合です。総量規制の範囲内の借入(年収3分の1未満)の場合は、総量規制例外貸付でなくても融資が可能なので、一般的な貸付になります。
総量規制例外貸付はデメリットとして、基本的に年収3分の1を超える場合の融資になることから、原則融資後の限度額内での借入ができません。年収1/3を超えているのに、枠内での借入ができたら、矛盾してしまうためです。
その為、例外貸付・融資は返済専用のローンとなるのが基本になりますので、借入できない大きなデメリットになってしまうのです。
銀行は総量規制が無いため、総量規制例外貸付も無い
総量規制例外貸付について説明しましたが、総量規制は消費者金融などの貸金業者が受ける規制になります。銀行は貸金業者ではないので、そもそも総量規制は関係なく、総量規制例外貸付も存在しません。
銀行から融資を受けるすべては総量規制対象外となりますので、年収3分の1の規制は無いのです。その為、銀行カードローンは年収規制が無く、専業主婦でも借りれることから人気のカードローンとなっています。
あくまで、総量規制例外貸付・除外貸付は消費者金融等の貸金業者に与えられた例外的な融資と覚えましょう。
総量規制例外貸付・融資のデメリット
総量規制例外貸付に関しては、年収3分の1を超えても融資が可能な特別融資となりますが、大きなデメリットが存在します。個人事業主の説明時に書いていますが、総量規制例外貸付はあくまで例外融資になりますので、一旦借入をした後は原則限度額内での追加借入は総量規制の年収3分の1未満に借入額が減らなければ受けることができないのです。
例えば、年収300万円の人は100万円までしか総量規制で借りることができませんが、消費者金融からおまとめローンや借り換えローンの例外融資で150万円借りた場合、100万円未満にならない限り、他の消費者金融はもちろん、限度額内での借入も不可となります。
一時的に融資を受けられるのが例外貸付になりますので、借入後のデメリットも充分に理解した上で契約しなければ後々後悔することになります。
デメリットの部分を気にする人は、やはり総量規制対象外の銀行カードローンから借りた方が限度額内での借入も可能ですので、良いと言えるでしょう。但し、銀行はそれだけ審査が厳しくなるので、どちらを選ぶかは自分自身の判断となります。